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そんな のほほん と眺めているとフェンスを越えてボールが横の道路に飛び出した。それを追いかけて一人の小柄な男の子も飛び出してきた。
再良が気づいた、それはとても勢いよく道路に飛び出してきた。
「……っ……!」
再良は咄嗟に地面を蹴り、リボンに触れると男の子を抱えて歩道に転がった。
そのすぐ横の道路を物凄い速さで一台の白い軽トラが過ぎ去っていった。
「…ぁっ…ぶなー……」
「………な、なんだ?」
安堵のため息が漏れ出た再良の腕のなかで男の子が動揺の声をあげた。
「…あ、ごめん」
「いや……」
「ケガは無い?痛いところある?」
「だ、大丈夫…どうも……」
気まずそうに少し顔を赤らめて再良から離れた男の子に指をおでこにつき当てると
「なら、良かった。気をつけてね?周りも見て?いつも助けてくれるとは限らないから」
軽く注意してから立ち上がる。
「…こりゃまた後で連絡だなー…」
ぼそっと眉間にシワを寄せながら呟いていると、フェンスで跳ね返ったボールが足元に転がってきた。
「ん。ほら、ボール。」
「ぁ……うん…」
ボールに指差し、リボンを整えると再び歩き出す。
「もうちょっと気をつけて」
「うん…」
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