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彼女が現れた
「こんのぉ!騙したな!!」
「全く、騙したなんて人聞きの悪い。」
「そーだよ。再良。母さんの言う通りだよ~」
「おとーさんは黙ってて!!」
再良と呼ばれた少女は見た目からして小学生5、6年といったところ。
150cm程の身長に、華奢な体格。少し丸みを帯びた顔にはサファイアのように青い大きな瞳が並んでいた。瞳と同じ色の髪は胸の辺りの長さで下ろされ、左側には乳白色の大きなリボンが留められている。
「引っ越しするとは聞いてたけどさ!だからって、寝てるときに引っ越しするとは聞いてないぃぃぃ!!」
「だって、お友だちと正面きってお別れするのは寂しいでしょ?ママとお父さんの細やかな優しさよ」
そう言ってウィンクした女性は作戦が上手くいったように男性と手を合わせた。
「そぉんな優しさは求めてないし!!」
「あ、それから、早速明後日から新しい学校だからな。ちゃんと準備しとけよ?」
「いや、ちゃんと我が子のお話聞きません?」
そんなコントのような会話を後5分続けてから再良は自分の部屋となる2階へ上がっていった。
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