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黒崎医科大付属高校。
『2年4組の沼久保文穂さん、至急校長室までおいでください。』
「文穂、何かした?」
文穂「え?そんな覚えないけど。」
校長室には、4人の男が待っていた。
1人は現在の担任である菱川修郎(ひしかわ・しゅうろう)、もう1人は校長の志波差五郎(しば・さごろう)。
後の2人は知らない人。
文穂「菱川先生、この2人は?」
菱川「警察だそうだ。」
文穂は青ざめた。
北本「その様子だと、我々がココに来た意味に心当たりがあると思って構いませんね?沼久保さん。」
文穂「はい。」
南條「では、大宮茉莉菜という名前に聞き覚えは?」
文穂「あります。中学の頃のクラスメートでした。彼女がいったいどうしたと言うのですか?」
南條「亡くなりました。」
文穂「そんな……!」
まさかの訃報に文穂が狼狽える。
南條「それと、谷嶋永嗣と横倉詩歌も亡くなりましたが、心当たりはありますか?」
文穂「同じクラスの仲間でした。けれども、何故亡くなったことを伝えに来たのですか?」
北本「君を含む6人が、橿原夏代を自殺に追い詰めた疑いがあるからだ。」
文穂「!!」
北本「君と今回亡くなった3人、そして汰柱喜一と茶園美春。君たちは橿原夏代を殺したも同然だ。しかし君たちはイジメを否認、クラスメートもそうだったが、他のクラスからはイジメの疑いの情報が寄せられていた。何故クラスメートの口を閉ざした?」
文穂「黙らせたのは私じゃないです。茉莉菜と担任の瀬又耀太(せまた・ようた)先生と級長の安楽島令佳(あらしま・れいか)です。3人の共謀です。」
北本「共謀?」
文穂「はい。橿原さんが亡くなってから、私たちは焦りました。もし自殺と断定されたら、このクラスは汚名を着せられると誰もが思ったからです。合唱コンクールは失格処分にされたり、数名の推薦入試の資格も失う危険があったし、何よりも瀬又先生の家族の生活が懸かっていましたから。」
北本「つまり、瀬又耀太の口止めか。」
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