Prologue

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だが、そんな沼久保文穂も、花村調理師専門学校の近くで殺害されていた。 北本「くそ、どうしてこうなった!」 南條「随分と計算された殺人事件ですね。2人の死体を警察に見つけさせてる間に沼久保さんを殺したようですね。」 西宮「亡くなってから、2時間は経っていないでしょう。」 北本「しかし、何でこんなトコで殺したんだ?」 南條「資料によると、沼久保さんの家がココから近いのと、沼久保さんは調理師志望だったそうです。恐らく犯人は、花村調理師専門学校に志望する署名を送れば内定を優先するなどと何か特をする話を持ちかけて呼び出したと思われます。」 北本「高校生にとっては特過ぎだろ。」 次に向かったのは、安楽島令佳の通う浦原商業高校だ。 令佳「私に何か用ですか?」 北本「橿原夏代をイジメたこと、そして彼女が自殺したこと、それらを放置したそうだな?元級長。」 令佳「認めるワケにはいかなかったからです。クラスの中には推薦が懸かってる人もいたんですよ。クラスメートが連帯責任を背負わされるくらいなら、黙っていた方がマシじゃないですか。」 南條「助けようともしなかったんですか?」 令佳「弱者を助けるなど、私にとっては愚の骨頂。甘えを与える行為に過ぎません。心を鬼に、無視すればいいと、そう皆さんに告げただけです。」 南條「でも結果的に橿原さんは自殺で亡くなったんですよ?そんなことでよかったんですか?」 令佳「あのアホ女は、弱者を助けることを優先していたばかりか、将来もそうすると言いました。そんなバカ同然のお人好しが、ある日詐欺の受け子の逃走幇助をやらかしたんです。その被害者こそ、谷嶋くんのおばあちゃんでした。私は大宮さんと谷嶋くんを呼び出し、橿原さんが不起訴だったことを不服としてることに納得して、橿原さんを犯罪者扱いしたワケなんです。結果としては、詐欺グループの摘発まで10ヶ月もかかったもんですから。」
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