猫と私

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それから私は児童養護施設の職員になるための資格を取得できる大学に進学し、一人暮らしを始めた。 高校を卒業したら働くと言った私に 「君が嫌でなければ進学しなさい。君はもう私たちの子なんだ、遠慮するな。なに、子供一人大学に行かせたくらいでお金に困ったりしないさ」 と言ってくれたのだ。 私は児童養護施設の職員になりたいこと、自宅から通えない距離に大学があることを伝えると、あっさりと一人暮らしすることを認めてくれた。 「私は君を信じているんだ。親なんだから子供を信じるのは当たり前だろう?だが、正月くらいは顔を見せに帰ってきなさい」 と言ってくれた。 そして今に至る。 きっと私は私を家族として迎え入れ、愛を持って育ててくれた夫婦のようになりたいと思ったのだ。
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