18人が本棚に入れています
本棚に追加
あっという間の二週間でした。
お悔やみの言葉をくれた皆さま、ありがとうございます。
おかげさまで、無事に義父を見送ることができました。
十年近く、義父と義母を面倒見てきた。
だって、一年に一回は二人とも入院するんだもん。
三年前に二人いっぺんに入院した時は、あたしゃ死ぬかと思いましたよ。
義父が誤嚥性肺炎で入院していたある日、お義母さんから夜中の十二時ごろ電話があった。
「今から救急車で運ばれるから、よろしくお願いします。
足の痙攣が止まらなくなっちゃって…」
なぬ?
で、わけもわからぬまま、主人と急いで病院に行った。
と、割合元気そうなお母さんがいた。
「なんか点滴してもらったら元気になっちゃって…」
と、診察台で横になりながら。
医者に、たいしたことはないと思うが、念のため検査があるので待っていてくれと言われ、待合室の椅子に座った。
と、救急隊員の人が申し訳なさそうに近づいてきた。
「あのぉー、お母さん自分で運転して消防署に来ちゃって。
申し訳ないのですが、車をご自宅に移動してもらえませんか?」
え???
「お義母さん、自分で運転していったの?てか、運転できたの?」
「這いつくばって車に乗って、足が少し動いたから運転しちゃった」
「え?だって救急車…
呼ばなかったの?」
「だって、家まで来てもらうの悪いかな、と思って…
消防署についた途端動けなくなっちゃって」
…。
あの時ばかりは、言葉が出なかった。
ええ、その後主人と消防署まで行って、お義母さんの車を実家に戻しましたよ。
四時間くらい前に、ワイン一杯飲んじゃったんですけどね。
酔いなんか吹っ飛んでたし。
検査入院という事で、二週間入院になったわけだが。
仕事の合間に、お義父さんとお義母さんの病院に通い、必要なものも買い、洗濯をして…
仕事中に、何度も病院から電話が入っていて、慌ててかけた。
「お義母さんが、いなくなっちゃったんです!
どこを探してもいなくて」
仕事を早退して、病院に行った。
と、看護婦さんに怒られて、しょんぼりしているお義母さんがいた。
「お義母さん、どこ行ってたの?」
「欲しいものあったし、お父さんも心配で…」
なんと、タクシーで実家まで戻り、車を運転して買い物をして、お義父さんの病院に行って、帰ってきたのだと。
最初のコメントを投稿しよう!