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2章 群の場合
群は天体望遠鏡を覗いていた。数々の星が命を燃やし、輝いている。
空だけが、群を認めてくれる存在だった。
つまらないプライドのために医者を強要させた両親とは違う。いや、比べることすらできないような、空は大きな存在なのだ。
深海も同様だと群は思うが、やはり見上げれば広がる空の方が好きなのだ。
(今日も桜が多いなぁ)
最近桜がずっと散っているように思える。でも、わざわざ確かめるほどのことではないと思って外には出ていない。
(っつっと・・・)
腹が減った。
のそのそと階段を下り、冷蔵庫へ向かう。
ここに住んでいるのは群1人だ。中学校を卒業するや否や、群は家を出、ここのマンションの一室を借りた。金は仕送りなどは一切受け付けず、音声ソフトで曲を作り、稼いでいる。自分の経験を元にした歌詞がウケたのか、再生回数も多かった。
「うっわ」
生憎冷蔵庫は空っぽであった。
仕方ない。何か買いにくか。
群は玄関のドアを開けた。
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