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「ちっ、違いますよ、別に......化け物の話しは興味あるけど............ 」
しどろもどろになる哲也の向かいで香織が頬を緩める。
「退屈なのは分かるけど先生たちに迷惑掛けるような事だけはダメですからね」
「退屈なんてとんでもない僕は警備の仕事があるんですからね」
胸を張る哲也を見て香織が優しく微笑んだ。
「そうだったわね、警備頑張ってくださいね」
哲也の肩をポンッと叩くと香織は廊下を歩いて行った。
「おっと、トイレトイレ」
尿意を感じて慌てて小走りになる哲也の口元が愉しげに歪む、
「一日早いけど今日診察して貰おう、ついでに加山さんの事を聞こう」
哲也は水曜日と金曜日、週に2回経過を見るために池田先生の診察を受けている。
今日は火曜日だ。診察は明日だが優しい池田先生なら大丈夫だと行く事にした。迷惑を掛けるなと言った香織の言葉などすっかり忘れている。
トイレを済ませてその足で診察室へと向かう、入り口から顔を覗かせる哲也に気付いて池田先生が声を掛けてきた。
「哲也くん、どうしたんだい? 診察は明日だよ」
「分かってるけど今日じゃダメですか? 」
「明日は都合悪いのかな? 」
「そう言うわけじゃないんですけど...... 」
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