第四話 迷い猫

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第四話 迷い猫

 都会では野良犬は見なくなったが野良猫は昔と変わらずによく見掛ける。  野良犬は狂犬病予防のために積極的に駆除が行われたという説もある。それも要因の1つだが、度々野良犬が人に襲い掛かるという事件が起きて全国的に駆除されたというのが本当のところだ。  犬と違い猫は向こうから人を襲う事は無いというのが猫が駆除対象にならない大きな要因だろう。  猫は神秘的な力を持っていると書かれる事が多い、魔女の使いや、妖怪など、世界中で猫は不思議な力を持っていると描写されている。もちろん犬の妖怪なども居るが猫と比べると圧倒的に少ない。  群れで生活していた狼から飼い慣らされた犬と違い猫は単独で行動している。足音も立てずにいつの間にか現われたり消えたりする姿を見たり暗くても視力が劣らないように瞳の形を変えるのを見て神秘的だと思ったのかも知れない。  磯山病院にも犬や猫が数頭飼われている。アニマルセラピーに使われているのだ。患者の中には人間不信に陥った者も多い、アニマルセラピーはその様な人たちに効果絶大だ。     
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