君と桜色の頬

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　わたしが引っ込み思案で、みんなと話せない時。さっきみたいに、わたしをクラスの中心に連れてきてくれる。

　苦手な数学や理科を教えてくれたのも翼だ。何だかんだ文句を言いながら、受験前に手伝ってくれた。

　のんびり屋なわたしが、進路を決められなかった時も一緒に悩んでくれた。

　あいつはバカが付くほど優しいやつ。

　のんびりしたわたしが見過ごせないみたい。わたしのせいで、諦めた道だってたくさんあっただろう。
　翼の足枷になっているみたいで悔しい。だから、絶対にわたしのそばに居ちゃダメなんだ。

　翼をダメにしちゃう。

　好きな人には、もっと輝いていて欲しい。
　翼はもっと羽ばたいて違う世界を見てくれないと、わたしが悲しい。

　立ち止まる翼は見たくない……。