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雪山旅行(ウェイン)
見渡す限りの白銀世界。凍る空気も今はワクワクする。なぜならここは…
「スキーだぁ!!」
ウェインは両手をガッツポーズに突き上げる。
雪山は整備されたゲレンデになっており、麓には一際大きなロッジの他に宿泊用の小さなロッジも点在している。ゲレンデにはスキーを楽しむ人の影もあった。
「ウェイン、先にチェックインと荷物を運び込むぞ」
「あぁ、うん!」
後ろでは馬から少ない荷物を下ろすアシュレーが睨み付けている。それに向き直り、ウェインも自分の馬から荷物を外して馬屋へと連れていった。
スノーネルへの遠征後の処理も終わり、遠征隊員の休暇も明け、ようやくウェインも遠征休暇を貰った。だが、どうにも宿舎で三日を過ごす気になれなかったのだ。
そんな時だ、アシュレーが溜まっている有給を消化して雪山まで行くと言ったのは。
羨ましいと思ったが、気分が少し塞ぎ込んでいて積極的にもなれずにいた。アシュレーから、「広いロッジに一人もつまらないから、一緒に来るか?」と誘いを貰ったのは、本当に昨日の事だった。
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