これは所詮、駄文。

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これは所詮、駄文。

 小説と言うのはおこがましいから、駄文と呼ぶ。妄想を形にするだけだから、ト書きでいい。  ノートを開いて、シャーペンを握る。  勉強机には、少女漫画が平積みになっている。が、そんなものに、目なんてくれてやるものか。  シチュエーションは桜の木の下で。  ベタ過ぎる? うっさい。ベタだから、いい。  卒業式のあと、クラスで一番カッコいい彼から、急に呼び出しを喰らう。脈絡? はあ、そんなもの、求めるだけ面倒。   『ど、どうしたの。○○くん、急に呼び出したりなんかして』  どもるのがいい。傍から見れば予想がつくことでも、コンプレックスがそれを抑圧している、自分にそんなものは、縁がないと思い込んでいる。そういうのがいい。 『あの、□□さん。その……』  そして、彼も一度は言葉に詰まれ。どぎまぎしろ。  そして深呼吸、そのあと、男を見せて。まずは、単刀直入に。 『○○さんのことが、ずっと好きでした』  そこで、とまどうの。 『えっ、でも……、私なんかよりも、△△さんの方が……』  ここで、クラスのマドンナを出す。同性から見ても可愛くて、可愛いという自覚まであるやつだ。
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