これは所詮、駄文。

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『いえ、僕は、君のことが、誰よりも』  ああ、いい。すっごく、いい。自己否定感が強いから、自分より可愛いコの名前を出す。けれど、それさえも彼は跳ねのけてくれる。 『で、でも、どうして……。私、地味だし』  コンプレックスがあるから、厚かましくも、理由を求めてしまう。ここでいよいよ、最高潮。 『前にさ、学園祭の文芸部の出し物で、詩集を買ったんだ。それがすごく良くて、僕の言葉が追いつかないけれど、ずっと誰が書いたんだろうって』  私の逃げ出したくなるような、黒歴史が登場。文芸部に所属していて、詩集を出したのは実話。はずかしいけれど、全てを曝け出したそれに、彼が魅力を感じてくれている。それが理由。この事実に、淡い熱を覚える。 『それで、君にたどり着いたんだ』  まだ受け入れられないと、戸惑うところを、何も言わずに、抱きしめて。  彼の背は高くて、抱き合ったら、顔が、彼の胸板にうずまる。逞しくて、温かくて。格好をつけているのに、速い鼓動が響いて、いじらしいの。  そこで初めて、全てを理解して、ゆっくりと口角を上げる。  ああ、好き。彼が好きという気持ちが溢れて。  あああっ!  熱が入りすぎた。シャーペンの針が折れて、飛んだ。
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