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すると、突然友人が「あ!」と、驚きの声を上げた。
その目線の先には、男の子の二人連れがあった。どうやらその一方の男の子が彼女の友人(といっても中学生の時に仲が良かったが、高校に行くことでお互い疎遠になったというよくあるパターンだ)らしく、久しぶりの再会にお互い驚いているようだった。「へぇ、A子もこの大学だったんだ。久しぶりだよなぁ!」「うわぁ、B男もだったんだね!何学部?」「俺は経済学部だよ。」「やだぁ、学部まで一緒じゃん!わたしもだよ。あ、そうそう、・・・」と、こんな調子でシームレスに会話が続き、彼女が同席を勧め、私たちは四人で食事することとなった。
その、私の友人の友人でない方が、平田君だった。彼は初対面にも関わらず、私や私の友人に陽気に語りかけ、冗談を言い、私たちを楽しませてくれた。知的で、上品さを漂わせながらも独りよがりにはならず面白い話で私たちを楽しませようとする気遣いをみせてくれた。私は彼の話術や、上品なのにどこか憎めない野暮ったさに惹かれた。
そして、私たちは自然に友人になり、大学にいるときは基本的に四人で過ごし、同じ授業を取ったり、一緒にランチを食べたり、学校が終わった後ビリヤードやカラオケに行って遊んだりもした。誰も彼もが「早く行動を共にする友人を作りたい」というオーラを放ち、そんなムードに満たされているものなのだ、四月の大学というものは。そんなわけで私たち四人はすぐに親密になった。
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