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均衡が崩れたのは、それから一年後・・・つまり私達は十九歳で、ティーンエイジャーという冗長な年代をようやく終えようとしていたときだった。私の友人に彼氏ができたのだ。語学の授業が一緒だったことで仲良くなり、ついに相手の方から告白してきたらしい。私の友人も前から彼には惹かれていたようなので、両性の合意が達成されたわけだ。
とまぁ、そのなりゆきも至極「よくある話」ながら、その後の私達の関係性も、まさに「よくある話」を辿ることになった。つまり、私の友人は徐々に私達の輪からフェードアウトし、彼氏との時間を優先するようになったわけだ。
詳しいことは端折ろう。だって、そんなのだいたい想像がつくと思うし。
とにかく、私たちはもう四人で行動することは殆ど無くなり、その代わりに私と平田君は二人でいる時間が増えた。平田君の友人の男の子の方とは、ちょっとした諍いがあって、疎遠になった。
すると不思議なものだ、四人でいる時の平田君と、二人でいる時の平田君は、まったく別人のように見えてきたのだ。実際に彼の接し方が変わっていたのかもしれないが、私の彼を見る目が変わった、とも言えるだろう。
・・・まわりくどい言い方はよそう。そう、私は、平田君に恋をしたのだ。
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