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岐士にはそれが何より喜ばしく、もう細かい事を言う段階ではない。
“士別れて三日、即ち刮目して相待すべし”
まさにその言葉の如く研次の心根は成長したと判断したからだ。
転生を前にその心持ちがあれば彼はたとえ罪を犯しても反省できる生き方が出来るだろう。
今の気持ちが転生した性格に反映されるのだ。
それに安心した岐士は親心からほろほろと涙を流した。
真知子には気の毒な経験をさせたが、いずれ彼女がこの世界に戻った時に一人の人間の成長に自分が役立てたと知れば彼女はきっと赦してくれるだろう。
そして既に徳の高い真知子だが、今回の件でさらに彼女はそれを高めたにちがいない。
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