ルーンヌィ バレエスクール

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悠人(ゆうと)、この後はなんか予定ある?」 金曜日、 自社のコアメンバーでのキックオフランチを終えて、声をかけてきたのは同じ社の南川(みなみかわ)匡哉(まさや)だった 数年前アジアの某国へ3年間一緒に海外赴任した 企業戦士だ 「いや、別に」 平日の午後、オフになった俺に 南川は予定があるなどとは思っていない 『ちょっとつきあえよ』 と腕を取られてタクシーを拾った南川が告げた行き先は、ほんのワンメーター先だった 「なんだよ」 「いや、お客の紹介で珍しいとこ見つけてさ。 一緒に見てほしいんだよ」 匡哉の誘い方はいつもこんな風に言葉が足りない すぐに降り立ったのは都心にしては珍しい、木立に囲まれたコンクリート作りのスタジオのような施設だった 入口には ー ルーンヌィ・バレエスクール ー とあった 「バレエ、、、」 思わず匡哉の顔を見た 彼は、にやりと笑って入り口に向かって歩き出した
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