誤嚥について

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誤嚥について

御縁と同じ発音だがこっちはありがたくないごえん、つまり間違って食べ物を食道じゃなく気道に入れてしまう事。 原因は口の中の筋肉の老化による嚥下機能(えんげきのう)(食べ物や飲み物を飲み込む力)の低下によるとの事。 この誤嚥によって、起こるのが誤嚥性肺炎で現代の高齢者の死亡原因で上位となる。 つまり、口の中の雑菌やら細菌やらが気管に入り込んで肺炎を起こすのです。 で、入院となる訳ですけど、誤嚥させないようにと食べる事をやめさせて、点滴にしたりなんだりとやるのが昔は当たり前だったのだけど、これはかなり古いとの事。 その理由は誤嚥は食べ物を食べた時だけに起こる訳でない、という事。 寝ているときにツバが溜まって知らずに飲み込む時や胃酸が逆流してそれを飲み込む時も起こり得る。 で、そのときに誤嚥しないようにするには、嚥下機能を鍛えるしかないのだが、食べないという治療によって口の中の筋肉は格段に落ちていくのである。 若い人でも入院して何日間も動かさない様に固定したらそこの筋肉が落ちてしまう、ある程度の歳になったらあっという間に使わない筋肉は無くなってしまうのだ(逆に言えば何歳からでも鍛えれば筋肉は付くのだが、そして、鍛えた筋肉はガンをも退けるという研究があったり)。 とにかく誤嚥するから食べさせないというのは根本的な解決にはならず逆効果にさえなるのだが、未だに絶食させる医療機関などが多いのはつまり、責任問題になるからとの話。 つまり、食べさせましたで万が一また誤嚥した場合に誰かが責任を取らされるかもしれないという不安があるのだ。 ゆえにこの話は根が深いのである。 未だに正解は出てない。
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