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-1.もう一つの私の名前の由来について
クラスのみんなにとって、きっと私は異邦人だった。
私の容姿は特徴的で、それが同級生の警戒を招いた。物好きな人間からは、動物園のパンダか宇宙人を見るような目で遠巻きに見られた。
私の話す日本語は、彼女らの使う日本語とは細かいバージョンが違い、いつもちぐはぐなコミュニケーションを生み出しては、双方のフラストレーションを上昇させた。
小学5年生と言う半端な時期に転校したことも悪かった。学校内での人間関係はほとんど完成されており、よそ者が割って入るようなスペースはすぐには見つからなかった。
結果として、私は孤立した。
孤立はしていたが、孤独は感じなかった。私の心は私が想像したよりも弱くはなかったらしい。警戒するなら好きなだけ警戒すればいいし、不躾な視線も甘んじて許容した。
いずれ同級生の警戒は解けるだろう。私の見方は楽観的だった。そうすれば前の学校と同じように普通の学校生活が送れるようになるはずだ。
そうして迎えた2学期の始め、私が想像した通り彼女らの警戒は徐々に解けてきた。しかし予想に反して、事態は悪化の方向へ向かった。
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