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「いろいろ有難う」
ルーナが礼を言うと、スライムは全身を震わせた。
「いいえ、これがわたしの使命なのですから。それも今日で終わりになりました。どうぞごきげんよう。ルーナさまのお幸せを祈っております」
ええ……と答えたルーナはしばらく立ちつくした。
と、だしぬけにルーナはスライムに覆いかぶさり、ぎゅっとその原形質の身体を抱きしめた。
「あなたのことは忘れないわ!」
スライムは興奮したのか、体色を真っ赤に染めた。
抱擁がおわり、ルーナは決然と立ち上がり、歩き出した。
ほのかな明かりを目指し、歩いていく。
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