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「ここはどこ?」
声に出した途端、
──ここはどこ?
──ここはどこ?
と、木霊がかえってくる。
ごぼごぼ……。
スライムは全身を震わせ、声を出した。どうやら全身の繊毛が空気を震わせ、声を作っているようだ。
「ここはあなたさまの揺りかご。あなたさまの目覚めるまで、わたしはずっと見守り続けてきました。目覚めた今、わたしの役目は終わりました……」
「わたしを……守ってくれていたの?」
「そうですルーナさま……」
ルーナ!
それがじぶんの名前!
そうだ、わたしはルーナ!
衝撃にルーナは立ちすくんだ。
じぶんの顔!
そうだ、じぶんの顔を見たい。
あたしはどんな顔をしているのだろう?
「鏡!」
ルーナは叫んだ。
「鏡はないの?」
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