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スライムが待っていた。その側にルーナはがくりと膝を落とし、喘いだ。
「だからおよしなさいと申し上げたのです」
ルーナは顔をあげた。
「いったい、あそこにはなにがあるの? 教えて!」
スライムはかぶりをふった。
「わかりません、知らないのです。ただ、禁じられた場所であることは判ります。もう、あそこへいらっしゃらないように……」
念を押されなくとも、ルーナは二度とあそこへ足を踏み入れる気力をなくしていた。がくがくとなんどもうなずくと、彼女は立ち上がった。
「案内して……」
どうぞ、とスライムはルーナをもとの通廊へとみちびいた。
やがてスライムは洞窟の横にあいた小部屋にルーナを案内した。
さきほどの浴槽のようなものが置いてあり、脇にいくつもの桶がならんでいる。
浴槽にはあたたかな湯が沸いていた。
湯の中に手をいれると、ちょうどいい湯加減である。
「どうぞ、その溶液を洗い落としてください。身体を拭いて、あなたさまが外へ出られるための服を用意しましょう」
いったいいつの間に風呂の用意をしておいたのだろうか?
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