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そして、僕はそのまま大講義室へと案内されていた。
どうやら、受験生の待機室というのはここらしい。
入ると同時に、見知った視線を感じた。
興味を持った視線、全く興味の無い視線、嘲笑う視線…。
さっきと違うとすれば、畏怖を感じる視線だろうか。特に近接戦闘の試験で見た顔に、その傾向は多かった。
…―そう。この目だ。
心の中で、何かがチクリと動いた気がした。
記憶には無い、深層心理に基づく何かなのだろうか…分からない。
でもそれは、試験をやり過ぎてしまったという後悔の念にほんの少しだけ、拍車をかける結果にはなっていた。
そんな想いのまま、僕は人気の少ない端の机に腰掛けた。
「…何暗い顔してるのかしら?」
「そうだぜ!試験結果を認められて、特例の途中参加を決めた天才に見えないぞ!」
そんな想いを打ち砕く存在、それがそこにはあった。
様々な視線の中で、それを者ともしない二人が、暗い気持ちを打ち砕く。
そこには優しさを感じていた。
僕はその言葉に対して、無意識に言葉に出していた。
「ありがとう…」と。
その言葉で、なんとなくだけど畏怖の視線が和らいだ気がした。
そう、皆心配してただけだ。
僕の強さが皆に向けられないかと言うことを。
僕はその友人に感謝の言葉しか思い付かなかった。
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