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「…あ?
おい!あぶねぇ!」
皆が気がついたとき、僕に向かって動きの素早いウサギのような生き物が飛び掛かって来る瞬間だった。
「…くっ!」
真横にいた少し若い冒険者が盾になろうと僕の前に立って防御姿勢を取った。
…そして、また時が止まった。
そんな世界で、僕はなんと無く焦っていた。
それは……、実は気がついてたけど害は無いと思い込んだ末に無視していたという結果だ。この混乱で凶暴化しているという考察を全く考慮してなかった自分がいた。
それによってこの青春真っ只中の青年が怪我をしそうになっている。その現実は結局は自分のせいなのだ。いい気分ではなかった。
…僕は自分が甘かったと考えを、自分をほんの少しだけ責めながら愛刀を構えて抜き放った。
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