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「さてと、ちょっといいか?」
「あ、はい!」
アルヴァさんに声をかけられ、手招かれるままに皆が散った逆方向に向かう。
そして近くに人がいないことを確認して、小声で問いかけられた。
「少し確認したいんだが、お前さんはランクを偽ったりはしてないな?」
「…はい。嘘はついてないです。」
暫く無言で反応を見られる。
ものすごく気まずいんですが。
「……そうか。なら本当にランクは4なんだな?」
「はい。」
「…わかった。ただ、君のお陰でここまで安全に来ることができたのは事実だ。感謝している。
これだけは言わせてくれ。一応回復を担当できる者が君だけだったが、どうにかなってくれたのは君の実力の賜だ。ありがとう。」
その表情から、彼は心の底から思ったことを口に出していることは分かった。
「こちらこそ。ありがとうございます。
ここまで彼らを纏めあげられたからこそ安心して来れました。」
彼は僕の言葉に少し驚き、ゆっくりと力強く頷いた。
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