第四章 ~|天才《・・》は冒険で花開く~

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それからすぐに呼び出しがかかる。 仮拠点も早々に造り上げられ、低ランク組は後方からの支援をまかされ、高ランク組は前線で殲滅という指示が出された。 指示を出したのは高ランク側のリーダーらしき人。 高ランクは側は最高ランクがリーダーをしているわけではないようだ。もしかしたらベテランだから選ばれたとか?不明だけど。 服装は何か黒い革でできた上下に、弱点のみを銀色の小さな金属片で固めていた。 結局何の素材かも分からないんだけど。 とりあえず言うと、裕福そうな雰囲気はあったとだけ印象を述べる。そして、非常に若い。 多分だけど20代位だと思う。 微妙に下らない話を考えながら、話は進む。 「よし、各自状況を見ながら行動をお願いしたい。 それでは散開!」 明らかに裕福そうな服装だけど、所々しっかりと 彼のその号令に、皆は行動に移る。 僕も動こうとした…そこで呼び止められた。 「それで、君だね。今回の後続で噂の救世主とやらは」 うわ。 嫌な予感。 「救世主とは分かりませんが、回復はしましたけど…何でしょう?」 面倒な予感を露骨に出しすぎてしまったかもしれない。 そんな僕の素直な返答に、答えを見つけたのだろうか。 少し微笑みを強くした。 「…すまないね。君の噂は彼から聞いていたんだ。」 「…彼?」 僕の発言に、目配せで彼だと教えてくれる。 そこには、一生懸命指示を出すアルヴァさんの姿が見えた。 僕の目線から察したのだろう。ちらっと見て、頑張れとジェスチャーをした。 少しイラッとした。 「それで、君の戦闘能力と回復支援は棄てがたくてね。 君には前線寄りの位置で守りを固めてほしいんだ。 …というより、指示出しすらお願いしたい。」 「…はぁ!?」 またもや荒れそうな予感がしてきたのは言うまでもない。
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