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「実はね、君の噂を聞いた父がね?とても期待してるみたいで、支援したいそうなんだ。ただその判断基準がランクの格上げって訳なんだよ。」
「…はぁ。」
僕は何となく嫌な予感を感じながらも、話を聞いておく。
何となくこのパターンはダメな気がする。
「もし今回の戦いで前線で動いてくれるならば、確実にランクは上がるだろう。ただそれだけではつまらない。僕の家からは多量の貴金属や装備を揃えて支援を…」「お断りします。」
僕は言葉を遮るようにして言い放つ。
そして続けた。
「僕はそのようにランクを上げても全然嬉しくありません。僕は僕のやり方で上げる予定なんです。」
「いや、だからこそボクの父がそれを支援しようと…」
「もし、そこまでしたいのでしたら、僕が正式にランクを上げていき、指名だの何だのでの報酬で渡してきてください。僕はそれまでは何がなんでも受け取りませんから。」
僕には、彼の言う提案に悪意しか感じることができなかった。
勿論善意の気持ちもあるのかもしれない。
ただ、僕は知っていた…前世で読んだことのある転生物小説での悪どさを。
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