誕生日前日、まさかの妄想が確信に変わる

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 結局、1万貸してしまうアホでお人好しやなぁと思い、笑い話としてグループ以外で友達と言える二人にメールで、また金貸してもうたわーとメールした。  二人には、これまでの先輩の金のルーズさ、詐欺事件を話してあった。  アホやなぁ、お人好しやなぁと同意の返事が来ると思っていたが、真剣に僕を心配する返事が来た。 「このままやと一生タカられるで、金額もエスカレートしていく。とにかく、その先輩と縁を切りや」  二人共、似たような内容。 「グループ抜きで個人的にという方便で金銭貸借するのはやめましょう。給料日の後、1万円返してもらって終わりにしましょう」 「俺も、ルール違反をした事は後悔してる」  返済日を決めて、今後、金銭貸借をしないという言質(げんち)をとった。  もう大丈夫とメールした所‥‥。 「そんな約束、絶対守らん」と二人の意見は一致。 「まずブランドスーツ売って凌ぐんが当たり前やろ」  言われてみればそうや。  リーダーにも話すと、 「その約束を守るとは思えません。早急に対応して縁を切らせます。これはグループの信頼に関わることです。彼が悪いのは当然ですが、安易にお金を貸してしまった貴方にも責任はあります」  という事態に発展。  先輩=男気が有って、頼れて尊敬に値する人という幻想が完全に崩れた。 「金の貸し借りの日時と金額をまとめて下さい」  考えてみれば金額も理由も微妙。  そんな金額で生活に支障が出るとは思えん。  盲目的に信頼してたけど、先輩って完全にタカリ屋やん。  となると‥‥もしかして、詐欺事件って。 *  ん、いつの間に、こんなに花見客が‥‥全く気づかんかった。  まあええか‥‥と、もう一度桜を見上げてから、再び思索に埋没していく。 *  まず編集者の対応、これが詐欺師とは思えない拙い人。  全文読んでない、未完結でタイミングがおかしい請求、その話の中で、いきなり先輩が3万を払ったから、先輩に金を払ってくれ?  こんなん、詐欺師やったら絶対こんなミスはせーへん。  確実に架空請求は失敗する。
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