誕生日前日、まさかの妄想が確信に変わる

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 後日、予定通りに事が進むほど、甘くはなかった。  編集者さんを問い詰める前に、先輩からの通話中に、立腹した僕は言ってしまった。 「ぶっちゃけ、あの詐欺って犯人は先輩ですよね?」  当然のように先輩はキレて、否定してきた。  そして「また警察で決着つけようや」という事態に発展した。  警察署に行く前に電話確認をする事にした。 「以前、会議室を使って事態を解決したと思っていたのですが、再燃してしまい、また警察署で話をつけようって事になったのですが‥‥」 「そういった事で、警察の会議室を使う事はできません」  行く前に確認して正解だった。  こうなれば、もう被害届を出すしかないか? 「先輩は、すぐに暴力を振るうので、暴れられるのが怖くて、言われるままに、お金を渡したのですが、これって恐喝ですよね? 実際に暴行を受けたこともあります」 「その内容だと、恐喝としては認められません。民事で解決してください」  おいおい、これが恐喝でないなら、何が恐喝なのだろう?  しかし、食い下がっても無駄。  23500円のために、民事裁判を起こすなんて、割に合わない。  警察に足を運ぶ意味も無くなり、再度、先輩と通話した。  まだ先輩も出発していなかった。 「この件は、刑事事件ではなく、民事でしか訴えられないとの事で諦めます」  そして、編集者さんが電話を変えたのか、音信不通になった。  もう、泣き寝入りするしかないな‥‥。
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