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「離したい…?」
先輩の言葉に、首を振る。
熱くて、ドキドキして、心臓が壊れそうなのに、この手を離したいとは思わなかった。
「じゃあ、どうするんだよ」
クスっと先輩は笑う。
どうするって…。それは、私が聞きたいくらいだ。
「どうしましょう…」
そう言って、先輩を見上げる。
「あー、まじやめて。やばすぎ」
「…?」
「手、離さねぇよ?」
「えっ…?」
少し戸惑ったけど、私はコクンと頷いた。
先輩の手は温かい。
きっとこの熱さは、先輩の体温が高いせいだ。
ドキドキする理由は分からないけど、身体が熱いのはそのせいだ。
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