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唐突に質問すれば、先生は顔を真っ赤にしながら睨みあげて
「あ?僕は勉強もスポーツもそれなりにできてちょっと不良なイケメンがタイプなんだよ!!」
まるで小学生の女の子のような理由に思わず吹き出した。腹を抱えて笑い出した俺に、
「笑いすぎだろ。ほら、さっさと飯食いに行くぞ!」
するりと桜の木と俺の間から抜け出して歩き出した先生の耳は未だに真っ赤だ。
まぁ、本当のところはおいおい聞き出すとして、手に入れた幸せを噛みしめながら先生を追いかけてその手を取る。
相変わらず真っ赤な顔をして前を向いていたけれど、俺の手をそっと握り返してくれる手に嬉しさが溢れ出した。
そうして俺たちはこの場所から恋人としての関係を築き上げていった。
いつまでも先生呼びはないから「隆司」って呼んでみると隆司は照れながらも「和真」って返してくれて。
年上ぶって人生のあれこれをアドバイスしてくれることもあれば、ベッドの中では夢見る乙女のように初心でいつまでも恥じらう姿に俺の雄の部分が暴れだす。
学生の間の4年間は遠距離恋愛をし、社会人になると同時に一緒に暮らし始めた。
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