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学校は無断欠席。深夜の徘徊を繰り返しては酒や煙草を覚えていった。
そんな退廃的な日々を送っていたある日、運命の人が現れる。
いつものように深夜のコンビニの前で見知った仲間とたむろしていた。
「和真ー、煙草あるか?」
「ん」
「サンキュ。明日返すわ」
気心知れた名前しか知らない不良たちと他愛ないいつものやり取りをしていると、ふいに仲間の一人がそういえば、と俺の方を向く。
「最近さーお前のことを探してる奴がいるみたいだぜ」
「俺?誰が?」
「さぁ?」
両親が俺の心配をするわけないし、通っていた学校は有名な進学校だったが一部の親の七光り軍団が陰湿ないじめを展開してて、目立たぬように、息を殺すように過ごす場所に友達を作る気にもならなかった。
それに一時はそれなりにやらかしたが、進学校に進んだ頭脳を活かしてうまいこと乗り切ったし、最近じゃ気の合うやつとコンビニ周辺で会って、特に何をするでもなくうだうだと時間をつぶしているだけで、人に恨みを買うようなことをした覚えはない。
「あ、それ俺も聞いた。友達の友達が言うには、暗闇の中でいきなり現れて幽霊みたいな青白い顔で『鈴峰和真を知らないか~』って恨めしげに尋ねるらしい」
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