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夏休みは明けたのです
幼馴染の主さんは世界一のあまのじゃくだ。
例えば「今日は晴れてるね」と話しかけると主さんは傘をさして「こんなに天気が悪いのにどうして傘をささないの?」と返事をする。
そんな主さんは友達が誰一人いない
僕だって幼馴染じゃなきゃ友達にはならなかっただろう
9月1日
夏休みが終わりニ学期が始まった。
1時間目の始まる前
主さんは僕の席までやって来て「明日から夏休みだね」
笑顔で話しかけてきた
「主さん。夏休みは昨日で終わったんだよ」
僕は主さんのあまのじゃくに呆れながらも9月のカレンダーを見せて夏休みの終わりを説明した
「ふーん。屋敷君は明日から学校に行くんだ…」
主さんは僕の頭を手で触りながら
「夏休みも学校に来るとは将来ブラック企業戦士確定だね」
とヘラヘラした口調で言った。
「じゃあ主さんは明日学校に来ないんだね?」
僕は主さんの手を払い除けた
「当たり前じゃない!明日から夏休みなんだから」
二学期の始業式の日
主さんのあまのじゃくが存分に発揮されていた
翌日学校に行くと
主さんは僕の前の席に平然と座っていた
「あれ?主さん。今日から夏休みなんじゃないの?」
僕がからかうと
「屋敷君、夏休みボケも昨日までよ。今日から二学期なんだから真剣に勉強してくれない?」
主さんはそう言いながら僕を睨んだ
睨まれた僕は小声で
「やっぱり主さんは嫌いだ」
そう呟いた
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