プロローグ

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 いきなり抱き寄せられて戸惑う私の唇に、織田くんは優しくキスを落とす。 「ん……」  唇を塞がれて声にならない声が漏れた。  突然のことに戸惑いこそしたものの、織田くんの柔らかい唇がいとおしくなってきて、抵抗もしないでそのまましばらく堪能(たんのう)する私。 「ごめん……。思わず……」  不意に離れた唇。そして織田くんの申し訳なさそうな顔。 「ううん。大丈夫」  私は精一杯の笑みで返す。 「改めてよろしくね」  笑顔のままそう続けると、織田くんはもう一度軽くキスをして応えてくれた。  こうして私たちは付き合うことになった。
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