プロローグ

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「ん?」  不思議そうに私を見つめる織田くん。 「その……、私……」  どうしよう。言葉が出てこない。頭の中真っ白だ。 「高校って、どこ行くの?」  パニクって予定と全く違うことを聞いてしまう私。 「ん? 西高だけど、瀬崎(せざき)は?」  えっ、西高?  驚いて思わず目をしばたかせる。  西高って言ったら私の高校と一緒じゃない! 本当に? こんな偶然ってある? 「あっ、いや……、私も西高……」 「――マジで? こりゃやっぱ運命だわ」  緊張で尻窄(しりつぼ)みになる私の言葉を、織田くんが遮った。  ん? 運命? どういうこと?  パニクる私の思考を無視して、織田くんが続ける。  織田くんは「話聞く前に俺のこと言っちまって悪いけどさ……」と前置きして。 「俺さ。前から瀬崎のことが好きだったんだわ。なんつーかその……。付き合ってくれないか?」  えっ? 今なんて?
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