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俺も広と一緒に、
奴の側に近付いて行った。
「ミアゲテゴランヨ、
キョウハコンナニキレイナ、
マンゲツノヨルジャナイカ。」
何か言ってやがる。
さっきまで感じてた不気味さは、
既に消え失せていた。
「あ~?
どうだって良いんだよ!
んな事ぁ~!」
広が言葉で威嚇する。
「キミハ、
コヤギカナ?
ソレトモ、
オオカミカナ?」
奴がまた何か言った。
「んな事より金くれよ!金!」
広が奴の目の前でそう言った時。
奴の右手が横一文字に空を切った。
次の瞬間、
広の首から血が吹き出し、
広は首を両手で押さえながら、
前のめりに倒れていった。
「マンゲツノウツクシサモ、
ジンゴモカイサナイキミハ、
モウシャベラナクテイイ。」
「切ったっ・・・、
首っ首っ首切った。
広、広、こっ殺したっ。
血が、血がっ!」
足が震えて力が入らない。
逃げなきゃ、逃げなきゃ、逃げなきゃ、
俺も殺されるぅ!
「コンナニチヲアビテハ、
アカズキンダナー。
キミニハ、
シツモンヲカエヨウ、
キミハヒーローカナ?」
走って逃げようとしたら、
足が縺れて転んだ!
立ち上がろうとしても立てない!
這う事しか出来なくなった俺に、
奴は馬乗りになって言う。
「キミガ、
ヒーローデナイノナラ・・・。」
「助けて、助けて、助けて、助け・・・。」
「キミガ、
ムカエルノハ・・・、
バッドエンドダ。」
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