序章

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「潤くん!危ないっ!!」 後ろから熱風が俺を襲おうとする。 「water wing」 霧のようなもの…いや、水滴の翼が、俺を包む。 「ありがとな…」 「早く、攻撃。」 そう勧められて、短剣を握り直し、きっ、と相手を睨む。 「潤くん、行きますよ」 「あぁ。行くぞ、晴山!」 晴山と俺は、相手に向かって行く。 「そんなちゃちい剣じゃ、俺は倒せないぜ」 長身の男が俺目掛けて矢を放つ。 「shield」 かんっ、と音がして、矢を弾いたのは、魔法でできた盾。 「ありがとな!深嶺!」 あいつは何も言わず、ただこくりと頷く。 「晴山!」 「はいっ!」 晴山は相手の後ろに回り込み、長剣を相手目掛けておろす。 「残念だな。見えてるんだよ、お前の動きは」 相手が後ろを向いた、その瞬間ー 「fire」 深嶺がそう一言言い、杖の先から炎が出る。 「ふうっ」  俺は一つ溜め息をつき、燃える相手を只、見つめていた。 少し経つと燃えていた相手は、キラキラと輝く砂になり、消えていった。 「お疲れ様です、潤くん」 「お疲れ、晴山。」 深嶺は、特に疲れてもいないようで。 「深嶺さんは凄いですよね…全然、疲れてなさそうで…」 「そうだな…」 二人で剣を鞘に仕舞う。 「さ、早く町に行きましょう。日が暮れてしまいます」 「そうだな」 また、深嶺は頷くだけ。 俺達三人は、町を目掛けて歩いていった。
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