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そんな絢華ちゃんを見ていたら、自然と言葉が飛び出してきた。
「今日は大騒ぎだったな?」
この話題は避けたいはずなのに。
「絢華ちゃんの彼氏が来てたんだろ?」
するすると言葉がこぼれてくる。
「うん。すごく目立つ人なんですよ」
「そう、みたいだな」
すっげぇ嬉しそうに話す絢華ちゃんを見て、胸が痛くなる。
「あっ!」
ふんわりした絢華ちゃんの雰囲気が、一気に慌てた表情に変わる。
「何!? どうした!?」
「彼氏が待ってるんだった。もう行きますね」
何があったのかと思ったけれど、彼氏……か。
一瞬で彼氏を想ってのやさしい表情になった絢華ちゃんに、胸の奥の方でとくんっと音が鳴った。
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