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彼氏と一緒にいる姿なんて見たくないはずなのに、絢華ちゃんが彼氏を想っている時のあの笑顔見たさに、俺も絢華ちゃんと一緒に裏口から出ることを選択してしまった。
でも、やっぱり見なければよかったと、後悔することになった。
絢華ちゃんは彼氏を見つけるなり、その場所へ駆け出そうとした。
「絢華ちゃん、じゃまた」
それを一秒でも遅れさせるように俺は声をかけた。
「あ、はい、また。お疲れさまでした」
そんな俺の意図に気づかない絢華ちゃんは、頭を下げてから、今度こそ彼氏のもとへ走っていった。
そのあとは、すぐに車に乗ればよかったのかもしれない。
でも、昼間彼氏に向けていた笑顔があまりに綺麗で、またそれを見れるのかもしれないと思ったら、その場から動けなかった。
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