片想い

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 しばらく話をしていた二人だけれど、突然彼氏が絢華ちゃんの腕を引き、そのまま肩に腕を回してキスをした。  その光景が、あまりにもショックで、すっげぇ胸が痛くなった。  そのあと、絢華ちゃんの焦って叫ぶような声が聞こえてきたけれど、その表情は怒っているというより、今までに見たことのないような高揚した表情で、またドキッと胸が高鳴った。  二人が抱き合う姿を見て、そろそろマジで諦めなければならないなと思った。  それでも、定期的に顔を合わせているからか、俺の心の中にいる絢華ちゃんは、なかなか出ていってはくれなかった。
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