片想い

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 季節はまた変わり、十月半ばに入った。  昼間はまだ暖かい日が多いけれど、夜は冷え込むようになってきた。  そんなある日、絢華ちゃんが珍しくお休みをもらっていた。  よくよく聞いてみると、今日は彼氏の誕生日だとか。  それなのに、夕食をファミレスへ食べに来た。  今回は二人でいる姿を絶対に見ないと心に決めていたのに、心の奥底では気になって気になってしょうがなかったからか、いつの間にか足が動いていて、気づいたら二人の姿を視界に入れていた。  一度目は、二人仲良くドリンクバーでドリンクをグラスに注いでいた時。  二度目は、二人仲良く隣り合って座り、絢華ちゃんの肩に腕を回してる彼氏の肩に、絢華ちゃんが幸せそうに頭を預けていた時。  やっぱり見たくなかった。  つーか、これだけ仲が良いのを見ているのに、この想いは100%届かないとわかっているのに、俺はいつまで絢華ちゃんのことを想っているつもりなんだと、自分のことながら呆れてしまった。
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