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つまらない授業が終わり、帰りのホームルームを終えると学校の1階の一番隅に目立たぬようにある書道部の部室に駆け込むのがいつもの私、柊亜子(ひきらぎ あこ)の日課だ。
私はとにかく書道バカ。
中学生の頃になんとなく入った書道部で、賞をもらってから書道の世界に惹かれた。
賞といっても、小さな展覧会の二番目にすごい会長賞というものに選ばれたのだが、頭も見た目も運動神経もこれといって普通な私にとって、大きな刺激になった。
それからというもの少しずつだが腕を磨く日々が続いている。
「亜子、今日も部活行くの……?」
私の前に座る浜田(はまだ)まりあが振り返った。
高校に入って、今日でちょうど一ヶ月。
そんな中、まりあとは席も近いことから常に一緒に行動している。
彼女はちなみに帰宅部だ。
「たまには一緒に帰ろうよ」
すると私の隣に座っている中田涼子(なかた りょうこ)もそう言った。
私たちは三人グループだ。
中学は違ったものの、すぐに気があった。
ちなみに涼子は水泳部希望なのだが、まだ水温が低く見学ができないので、時期を見て入部するか決めるところらしい。
「ごめん、部活は休めないよ……」
私が両手を合わせると、二人は「真面目だなぁ」と言って小さく息を吐いた。
「ごめんね、でもテスト期間は部活休みになるみたい。そのときは一緒帰ろう」
テスト期間が休みになるなんて、私はテストより書道のほうが大切なので嬉しくないが、一応笑ってみせた。
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