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プロローグ~暖かい日の日常~
陽は俺の真上からサンサンと降り注ぎ地面に落ちていく。夏も終わりかけ、太陽は穏やかな暖かさを感じさせるようになった。
俺は朝から岐路先先輩と一緒に買い出しに行ってきた。
さっき先輩と別れ、今は誰もいない昼の帰り道をトボトボと歩き、家まで足を進めている。
乾いたコンクリートは微かに熱を帯びているようで先の方のコンクリートを見ると熱が立っているのがわかる。
「秋近くでも歩くと暑いな」
小さな声で呟いた。
しばらくすると白塗りの壁が見えてきた。
「はぁ、ようやくついたか」
壁と統一された白色の門を開けると数段の階段を登る。その奥には三階建ての家が建っている。そう、これが我が家だ。
玄関を開けて「ただいまぁ」と言うと真っ先におかえりを言ったのは緑だった。
「あ、琉夏。少し遅かったね、帰ってくるの。」
「あぁ、ごめんな。結構買い足さなきゃいけないものがあってさ」
そう事情を説明するとふぅ~んと言ってリビングに行ってしまった。
靴を脱ぎ、あとを追いかけるように俺もリビングに入る。
3人がけのソファは窓の近くで太陽がよく当たる側は緑の特等席になっていて、その隣に
あぁ~と唸りながら腰を下ろした。
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