午後1時、いつもの場所で-2

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「もう准君……」   ビックリした、と顎を引くと「嫉妬するのもあとひと月かな」と首筋に彼の息を感じた。 「嫉妬なんてしなくていいのに」 彼の腕の力が緩まるから、その隙に私は彼の首に腕を絡ませる。 「いつも言ってることだけど、准君だけが好きだから」 今度は私から彼に口づける。 驚いたのか彼は少しだけ目を大きくしたけれど、すぐに私を強く包む。 准君が無意識に私を求めてくれる時、すごく喜びを感じる。 今、私の全身から幸せが溢れているはず。 仲直りの時間。 口づけは深くなり、どちらからともなく舌を絡ませ、熱い息を溢す。 私と彼はまだ靴も脱いでいない状態なのに。 「寿々、捕まって」 彼が何をするのかわかったから回す腕に力を入れた。   彼に軽々と抱き上げられ、いつも丁寧な准君なのに余裕がないと言わんばかりに私の靴を取り、投げた。 向かう先は2階の寝室。 二人で住むようになってから、新調したのはベッドくらい。 キングサイズのベッドは部屋をぎゅうぎゅうに陣取って存在感を出している。 彼はベッドに私をおろすと、余裕なさげに覆いかぶさり、私の服を脱がしていく。 「今日の准君エッチ……」 「寿々のせいだよ」 私を責めるのも彼らしくない。 「寿々が可愛いから」 けれどこんな責められ方は悪くない。
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