午後1時、いつもの場所で-2

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“リリリリ”とうるさい目覚まし時計を准君が起きるより前に止める。 「お弁当作んなきゃ……」 小声で言ったが聞こえていないはず。 隣の彼の瞳は閉じているから。 主婦業に専念するようになってまだ一週間。 主婦になったからには料理、洗濯、掃除と完璧にしたいと思っているのに、まだ一度も弁当を作れていない。 だってその理由は…… 「寿々、おはよ……」 准君に身体を後ろから覆われ、動けなくなる。 彼に抱きつかれるのは嬉しい。 けれど、今は困る。 「准君、おはよう」 私の声は“あぁ”と嘆き混じり。 今日も作れないかもしれない。 「もう起きちゃうの?」 「……だって、お弁当……」 「大丈夫、まだ時間があるから」 「でも……」 その声は彼の唇に飲まれる。 ここのところずっとこんな感じ。 仕事をしている時は気を遣っていたのだろうか。 准君が甘えたになる朝、私は彼に逆らえず許してしまうのだけれど。
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