午後1時、いつもの場所で-2

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「あの時、思いきって話しかけてよかった」 それは私だってそう。 「私も……。あの日紙を落としてよかったって思います。あの時の准君、王子様みたいにカッコよかった」 今でも綺麗に思い出せる。 あの時はまだ彼のことが好きだったわけではないけれど、印象的だった。 「……照れくさいな」 ほんの少し彼の頬が赤色に照れを含ませる。 「カフェラテお持ちしました」 「あ、ありがとう」 沙映子が控えめに入ってきたのが照れを煽ったのか、准君がアイスティをグラス半分くらい飲み干した。 なんだか可愛らしく映る。 「ごゆっくりどうぞ」 沙映子はウインクをして離れていく。 今度は私が照れる番。 「ありがとう」という声がちょっぴり裏返る。 准君のことでとてもお世話になった沙映子。 結婚が決まった時も一番に教えたが、泣いて喜んでくれた。 恥ずかしいけれど今、仲を取り戻した私たちを見せられてよかったと思う。  「寿々」 准君が真面目な声で私を呼んだ。 「……はい」 私にもそれが移る。
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