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クリスマスが近づいているせいか、煌びやかに大通りは彩られていた。そこから外れ、公園へ向かう。走ったため、5分くらいで目的地へ着いた。小さな公園で、柵の外から中が見える。
学がいた。
稽古終わりなのか、スポーツウェアにマフラーをした寒々しい姿だった。いつものベンチに腰かけていた。
おずおずと旭が公園に入ると、学もすぐに気付いて立ち上がった。
普段は自分を見ると笑みに変わる顔が、今日はうまく視線を合わせられず、少し戸惑っていた。
「よ…」
「っ、ごめんなさい…っっ」
旭は勢い良く頭を下げた。腰から90度に折り曲げた上半身をそのままに、言葉を紡いだ。学の顔を見られない。
「俺…っ、がっくんを傷つけたよね。がっくん、心配して俺のとこ来てくれたのに…。ほんとにごめん。けど…ほんとに…ほんとに、がっくんに嫌がらせとかしたくてしたんじゃないんだ…。ごめんなさい…」
「…俺も悪かった。ライン返さなくて。お前が本気で謝ってんのも分かった。でも、お前がなんであんな事したのかは、全然分かんねぇ。…なんで、あんな事したんだ?」
「……」
問われると思っていた。そして、ちゃんとはっきり言おうと思っていた。しかし、いざ、その場になると言葉が出てこない。
顔を上げられないまま、旭は唇を噛んだ。すると、学が動く音が聞こえた。
「なぁ、旭。俺、このままお前と話せなくなるの嫌なんだよ」
学がしゃがみこんで、旭の顔を仰ぎ見る。
不安そうな学の顔があった。嬉しかった。自分と同じ意味ではないとしても、大切だと思ってもらえているのだと旭は感じ、目頭が熱くなった。
「…っ…、俺…がっくんが……好き、なんだ」
学が息を飲む。
「友達としてじゃなくて…恋愛って意味で。ずっと…好きだったんだ。それで、この前は我慢出来なくなって…っごめ、気持ち悪いよね」
涙が零れそうになったが、どうにか堪えた。これでもう、学から話してもらえないかもしれない。秘密を明かす開放感と後悔に、旭はぎゅっと目をつぶった。
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