好きになった方の負け-2

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一度盛り上がっていた空気を取り戻すのは、彼にずいぶん慣れた今でも恥ずかしい。   寝室まで来たけれど、はじめ自分からは何もできずにいた。   准君はそれをわかっている顔をしている。 「寿々」と呼んで私を見つめ、様子を窺っているから。 「……准君」 落ち着かず彼の腕を引っ張ると、彼は「うん?」と首を傾げた。 「もう……」 私の催促がバレバレだ。 「恥ずかしがる寿々、可愛い」 「……またそんなことばっかり」 「だって本当に可愛いから」 准君は耳元に唇を寄せて囁いた。 熱い息が私の身体を刺激する。 「准君……」 私は近くにきた彼の顔を両手で優しく挟んでキスをしかけた。 彼は私からのしかけを待っていたというように“ふっ”と笑みを浮かべると、ベッドに腰掛けその上に私を座らせる。 続きが始まる。 身体がキュンと締まるのを感じすぐ、彼が寝転るので、私は彼の膝の上に跨る姿勢になった。 「寿々に押し倒された」 「准君が倒れたんだよ……」 「そうだっけ?」 「そうだよ」 そう言いつつも、私は自ら彼の唇に私の唇を押し付けた。
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