好きになった方の負け-2

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「准君、言ってることが甘すぎ。私調子に乗っちゃう」 彼の胸を指で“つん”と弾く。 「調子に乗っていいよ」 「もう……。でも私も……」 私は口元を膨らませ、眉を寄せた。 「うん?」 「いや、どうかな……」 思い悩む私の額に准君が彼の額をコツりと合わせた。 「寿々は何をされても許せるわけじゃない?」 彼が小さく笑う。 まさに考えていたことで、苦笑した。 「……浮気は嫌」 「なるほど。そういう類いのものは考えてなかったな」 「准君だって嫌でしょう?」 すると彼は「うーん」と言い、また「うーん」と唸り「難しい」と苦笑いした。 「寿々を手離したくはないから、許してしまいそうだ」 「……准君……」 なんて私は愛されているのだろう。 胸が震える。 「重症だよ」 すると彼は「好きになった方が負けだね」と眉を下げた。
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