好きになった方の負け-2

3/23

139人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
彼の息がかかり瞳をギュッと閉じたその時、家のチャイムが“ピンポン”と鳴った。 なんてタイミング。   准君の動きが一瞬止まるも彼は、私の太股に唇を寄せた。 正直私もやめてほしくない。 “ピンポンピンポン” しかし、うるさく鳴るチャイムに「准君……」と上半身を少し上げる。 彼が顔を歪め「誰だろう?」と低く呟く。 珍しく不機嫌。 「何か頼んだっけ?」 宅配便は思い当たらない。 首を横に振る。 私は床に散らばる長袖Tシャツに手を伸ばし、胸を隠した。   彼が私の額に優しくキスを落とし「寿々、二階で待ってて。出てくる」と立ち上がる。 「うん」 私は彼に任せ胸を隠しながら、二階へ上がった。 ベッドに座るものの、素肌で待つのはいかにもだ。 彼が脱がせた服を簡単に着て上半身だけ寝転がるとしばらく、下から聞きなれない男性の声が聞こえてきた。 気になる……。 私は忍び足を心がけ、下へ降りた。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

139人が本棚に入れています
本棚に追加